Paretoという名前は、“パレートの法則"に由来しています。パレートの法則は"働きアリの法則"とも呼ばれていて、どのアリのコロニーを見ても2割のアリがよく働くアリ、6割のアリが普通に働くアリ、そして最後の2割のアリが働かずに遊んでいるアリになるそうです。この2 : 6 : 2の配分はあらゆる事象に見られることから経験則を基にした法則として知られています。
ここで考えたいのは、一見無駄に思える"遊んでいるアリ"は必要ないのだろうか。試しに複数のコロニーからよく働くアリだけを集めて、新たなコロニーを作ったとしてもいづれはこの2 : 6 : 2の配分に自然と収歛していくのだといいます。
さらに観察を続けていく中で、コロニーの存続を脅かすような緊急事態が発生したとき、あの怠けもののアリたちが普段持て余した力を発揮することで危機を乗り越える余力になっていることがわかりました。つまり"無駄"は、無駄ではないのです。というよりもすべてのものごとは"無駄ではない"と感じます。
とかく目にみえる効率を求めてしまいがちな現代社会ですが、無駄だと思われていること、遊んでいるように見えること、理由はわからないけど魅力的なことを大事にし、それらをありのままに受け入れ、肯定し、その可能性を探索するところから始めたい。
ときに遊んでいるかに見える変わり者の2割なわたしたちが、社会参加することでインスピレーションをもたらす存在を担います。
レオナルド・ダ・ヴィンチが生きた時代は、デザインもアートも宗教も科学も分け隔てなく存在しており、自然の理(ことわり)とはなにかを探求していたといいます。
その後、それぞれが領域を特化させることで分野ごとの練度は高まりましたが、それと同時に隔たりができてしまったように感じます。その隔たりは時に相互の断絶を産み、偏った認知につながります。
わたしたちはもう一度その隔たりを意識的に忘れ、
デザインも、アートも、科学も、宗教も、哲学も混ぜ合わせた眼差しで、
友達も、クライアントも、同僚も分け隔てのない関係性で、
感情に素直に、未知なる存在と向き合う実験場を作りました。
Designer / Catalyst / Architect
Artist
TATERU.org / 宮城県亘理町 / playknot Inc. / AXIS Inc. / AiRK / かめおか霧の芸術祭
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