MARUJU ART HANGAR
鳥取県倉吉市にて事業用倉庫をコンバージョンしたアートギャラリーのデザインアーキテクトおよびWebサイトの企画・制作を行いました。
Architecture
アート格納庫Mは、倉吉市街中心から少し外れた工業団地内にて、既存の倉庫とサイロ建物を改修した美術品の展示空間と、オーナーである岡野さんが過ごすコレクションルーム、それらをつなぐインナーガーデン空間を持った建築です。
・民藝に代表される用の美を愛でる文化
・曇りがちな気候での版画のような彩度が落ちた景色
・明るい内向きの庭でのプライベートな芸術活動
それら倉吉で脈々と醸成されてきた生活たちを受け継ぎ、それを知ってもらえるような場所にしたいと考え、「生活の断面を見せる」というコンセプトを掲げました。
今回のアート格納Mでは、常時アートを格納しながら、それらを蔵開きするように見せることを主眼とし、倉庫やサイロの意匠をそのまま踏襲しています。
普段格納されているものを断面として垣間見えるように、近くを流れる国府川に沿うような形で一本の斜めの【ガラスカットライン】を平面上に挿入しました。そのライン沿いが新たに設置された本建物のアプローチやメイン動線であり、用途や空間を仕切る面となります。
倉庫空間を生かした大空間によって、国内では数が少ない原口典之作品の常設展示や企画展エリアを包括し、斜め壁や天井照明材によって様々な空間プロポーションが現れ、鑑賞空間に変化をもたらします。
カットラインの逆側の空間は、緊張感のある展示空間とは対照的に、居心地が良くほっこりするコレクションルームと外部空間を屋根下に取り込んだ【インナーガーデン】を設けています。倉吉では中庭を取り込んだ芸術鑑賞、サロンが点在しており、その場所こそが芸術の素養を育ててきた土壌ともいえます。本計画においてもインナーガーデンを介したコミュニケーション、自然光の取り入れ、アート鑑賞などを司る空間になればと考えております。またガラスカットラインを通じて内外の連続性を出し、水平性を持つアート鑑賞空間として、外部空間も取り入れます。
この格納庫のアート達はどれひとつとして恒久的なものはありません。中の展示品が移り変わっても、変化を受け入れていけるような明快な空間を目指しました。
Web
アート格納庫M
Architectureデザインコンサルティング:TATERU.org + Saya Kubota基本計画:TATERU.org設計:アーク設計工房施工:向井組照明:安東克幸家具:roboro室内サイン:roboro施設ロゴ:竹原良治写真:YAMAMOTO KEITA
Web企画・制作:魚住英司(TATERU.org) + ストット怜https://www.arthangarm.com